ブランドセーフティとは? -悪質なサイトへの広告掲載を防ぐには-
以前、DSPやGDNといった、「様々なサイトに広告掲載できるプラットフォーム」について紹介しました。
しかし、このようなプラットフォームのサービスなどでは、出稿した広告が配信されているサイトをすべて把握することは不可能です。
そのため、広告主の知らないところで
「評判の良くないサイトに広告が表示されてしまうのでは」
という懸念点が生まれてきます。
実際の事例で、マンガを無断掲載していた〇〇村というサイトが
社会問題になったこともありましたね。
実はその時、まったく知らないうちに〇〇村に広告が掲載されていた!
なんて事例もありました。
こうした悪質サイトへの広告掲載リスクの問題は、
「ブランドセーフティ」と呼ばれています。
「ブランドセーフティ」は、
テレビでも特集が組まれるほど、大きな問題となりつつあります。
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そこで今回は、そのような
「悪質なサイトに広告が掲載されないためには、どうしたら良いのか?」
という疑問について整理していきたいと思います。
1.ブランドセーフティとは
まず、「ブランドセーフティ」の定義について確認します。
ブランドセーフティとは、「広告出稿が原因で企業や製品のブランドイメージを毀損するリスクと、そのリスクにどう対応するかに関すること」*1です。先ほどのような問題のあるサイトに広告が掲載されてしまうリスクや、それにどう対応するのかということも、ブランドセーフティという言葉に含まれています。
2.どのような問題があるのか
ブランドセーフティでは、評判の良くないサイトに広告が表示されることによって、
ブランドの価値が低下するという問題があります。
それ以外にも、反社会的な組織に資金提供をしてしまう、という重要な問題が指摘されています。*2
これは、反社会的な組織が運営するサイトに広告が掲載されてしまうことによって、そのような組織に広告費が支払われてしまう、ということで、
気が付かないうちに反社会勢力に資金提供をしてしまうことにつながりかねない重要な問題といえます。
3.解決策はあるのか
解決策としては、広告掲載に関して一定の基準を設けることが挙げられます。
実際に、ほとんどのアドテク企業は、「著作権を侵害しているサイト」や「露骨な暴力表現を扱うサイト」に広告が出稿されることを防ぐためのフィルターを設けています。*3
このように危険のあるサイトを除外することで、
ブランドを既存する危険のあるサイトに広告が掲載されるリスクを減らすことができます。
つまり、解決策としては、このようなフィルターなどで
ブランドセーフティの対策をとっているDSPなどのサービスを選ぶこと
が挙げられます。
4.ブランドセーフティの新たな問題
2018年の文献では、ブランドセーフティにおいて、
フェイクニュースや、政治的な感情を煽るサイト
が新しい問題になっていることが挙げられています。
これは以前話題になったSNSなどでのフェイクニュース拡散などのことで、
嘘のニュースを本物のニュースのように配信するサイトなどに広告が掲載されること
を指しているようです。
フェイクニュースが巧妙に本物を装っているという状況を加味すると、
フィルターなどで完全にシャットアウトするのは難しいように思われます。
「このような方法で広告費を稼ごうとしているサイトにどう対応していくのか」という点はブランドセーフティの今後の課題といえそうです。
(この仕組みは以前TVでも放送されていた「フェイクニュース工場」の収入源が広告収入であることを考えると分かりやすいです。)
以上です。
プラットフォームで広告を掲載する際は、
自分の広告がどこに掲載されているのかをよく確認することがおすすめです。